忍者ブログ
 本館の更新履歴、日常、読書感想などなど
[143]  [142]  [141]  [140]  [139]  [138]  [137]  [136]  [135]  [134]  [133
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 今さらですが、今日プールで泳いでてふと思いついたもので(笑)。

 衝立の向こうから、規則正しい寝息が聞こえる。
 塔場は寝つけず、身を起こした。
 衝立をずらすと、可奈がすやすやと眠っている。
 -不思議な少女だ。
 未来から来たというその少女は、出会いも服装も言動も奇妙なものだった。
 しかし、いつの間にか明るい笑顔と行動力に引き込まれている自分を感じている。

 そっと可奈の頭に手をやる。
 当たり前だけれど、初対面のときと同じくすっぽりと手中に収まる。
 その小ささに改めて感心してしまう。
 と、可奈が身じろぎした。
「ん…とう…」
 どきりとした。
 思わず彼女の頬をなでる。
「とうまくん…ただいま…」
 にっこり笑う彼女に、手が強張った。
 手を引っ込めて衝立を元に戻し、再び布団に入った。

 明日、彼女は未来に帰ってしまう。
 -帰って欲しくない。
 その気持ちを告げたら彼女はどうするだろうか。
 いや。
 明日、自分には羊子の誘拐犯を対峙し、龍門寺家の謎を解く使命がある。
 塔場は、可奈の温もりの残る手を見つめた。

 -明日、彼女は未来に帰ってしまう。

 塔場は手を握り締め、目を閉じた。

 -今夜は眠れそうにない。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
忍者ブログ [PR]